南北に長い敷地に建てる高性能な多世代のご家族が暮らすお家(栗原市築館)
栗原市築館
敷地が南北に長く、東西の寸法が限られているため、建物の形が敷地に影響されたなかでのプランニングとなりました。
新築後も隣接する既存の住宅をリフォームして使用するため、新しい住宅と既存の住宅の使い方を想像して最適と考えられるプランを提案し、そこからご家族と打合せを重ねながら、調整をしていきました。
プランを作るうえで、特に重視したのはシンプルで無理のない構造、断熱性能や気密性能を高め、家全体を暖めやすく、冷やしやすいような形にしました。
断熱性能や気密性能を高めたことで、住み始めてからの光熱費が抑えやすくなっており、そのうえでメンテナンスコストをできるだけ抑えられるようなつくりと素材選びを心掛けました。(家づくりの考え方については、佐藤工務店の家づくりをご覧ください。)
また、IY様ご家族は多世代での同居となるため、ライフスタイルの変化に対応しやすいように共有スペースを大きくとり、個室は後からでも多少の大工工事で2部屋に増やしたり、1部屋にして広く使ったりしやすいように計画しました。
設計のポイント
小さなお子様がいるため、少し高めの位置にテレビを壁付けしてイタズラを防止しています。
テレビの位置に合わせて、棚も少し高めの位置に取り付けました。
ご家族の人数が多いので、オーダメイドのダイニングテーブルを2つ設置し、いろいろな使い方ができるよう、片方の脚にキャスターを付け移動できるようにしています。
キャスター付きのテーブルを固定のテーブルより、一回り小さくすることで、固定のテーブル下にキャスター付きのテーブルを収納できるようにしています。
また、ご家族分の椅子を用意しなくてもいいように、壁際に造作の木製ベンチを配置し、その下をちょっとした収納スペースとして利用できるようにしています。
ダイニングテーブルの奥にはキッチンカウンターが取り付けてあり、作った料理をキッチンカウンターに置き、ダイニングにいる人が受け取り、ご飯の準備をするといった使い方を想定しています。
2つ並んだダイニングテーブルの大きさが違うのが分かります。
左側のテーブルを右側のテーブル下に潜り込む大きさにしております。
この2つのテーブルは、地元栗原市のスガワラクラフトさんに作って頂き、椅子についてもスガワラクラフトさんからお借りしました。
木製ベンチと同じ材料で背もたれを取り付けており、同じ場所の壁に何度寄りかかってもクロスが傷みにくいようにしています。
職場でタッチレス水栓を使っていて、便利だということで新しいキッチンでも採用しました。
タッチレス水栓は節水効果も高くなっています。
オープン階段にして空間を広く使うことも提案しましたが、階段下収納とすることで収納量を増やすために箱型の階段にしました。
リビングの掃き出し窓上にあるカーテンボックスが天井を照らす間接照明も兼ねています。
間接照明を隠しているボックスに埃が溜まらないようにアクリルで蓋をしており、そのアクリルにはボックス内に熱がこもらないように一定の間隔で空気穴を開けています。
キッチンの裏が大容量の食品庫になっています。
洗面化粧台横にはタオルなどが置ける大きめの造作棚を作りました。
トイレの腰板にはパネルを貼っており、掃除がしやすいようにしています。
また、左側に棚を設置しており、その上は隣接している洗面脱衣所の棚になっています。
ショールームでIY様ご家族が選んだユニットバス。
浴室のすぐ横が道路になっており、人の通行などが気になるとのことで窓を設置しておりません。昼間に入浴しないのであれば、窓を設けないことで掃除の手間が減るなどのメリットもいくつかあると考えています。
階段を含めて、使用する集成材を一定のルールのうえで配置することで、統一感を持たせています。
2階ホールにエアコンを設置。基本的には1階リビングのエアコンと2階ホールに設置したエアコンで冷暖房をするように計画しています。
エアコンの容量については断熱性能と建物の大きさを元に計算しております。
廊下を少し広めに取って、デスクスペースにしました。
IY様からのご要望でこの部屋だけは個別にエアコンを設置しています。
向かいのお宅と視線が合わないように窓を少し高めに設置しています。
また、右側の壁は接している天井や床、壁を施工した後に組み立てており、解体しやすくなっています。
ご家族のライフスタイルが変化した際に2つの部屋を繋げて、1つの部屋として広く使うことができます。
この部屋は真ん中に壁を作って、2つの部屋に分けて使えるように計画しています。
外壁には金属系のサイディングを使用しております。
金属系のサイディングは窯業系のサイディングに比べて、コーキングが少なく、メンテナンスをする回数を減らすことができます。
道路に接している面の窓は小さめにし、高めに取り付けることで家の中にいる人と視線が合いにくいようにしています。
また、透明のガラスと中が見えにくい型ガラスを使い分けているので、カーテンを付けなくても気になりにくいようにしています。
今回のテーブルコーディネートもcafeかいめんこやさんから陶芸家さんが作った食器をお借りしました。