3世代同居のお家を建て替えする際に注意が必要な2つの問題と4つの解決方法

    現在、3世代同居をしていて、お家が古くなってきたと感じている方の中には、「お家が古くなってきたから新しくしたい。」、「子供が大きくなってきたから子供部屋を作りたい。」と考え、家づくりを意識した方は多いはず。

    そんな方が建て替えをする際に注意が必要な2つの問題があります。
    それは、3世代で家族が多い分、建築面積が大きくなり建築費が高くなること。将来、住む人が減った時に部屋が余ることす。

    そのような問題があり、解決せずに建て替えると、
    ・建築費が高くなりすぎて建てられない。
    ・建築費を下げるために品質や性能を下げて広い家にしたせいで、建ててからの光熱費や維持費が高い。
    ・大きな家、沢山の個室を作ったが、子供達が独立して空き部屋が増え、掃除などの維持管理が大変。

    となるケースが見受けられます。

    実際に建て替えを選択するとしたら、数年後、数十年後も幸せに暮らすためには問題点は解決しておきたいと思いませんか?

    その問題を解決する方法は以下の4つが考えられます。
    1、世帯年収で資金計画をする。
    2、多世代同居型の補助金を利用し、建築費の負担を減らす。
    3、個室を小さくし、子供が巣立ったら、部屋を繋げる。
    4、高性能住宅にして光熱費や維持費を抑える。

    この解決策は、実際にお仕事をさせて頂いた際の経験を元にしており、当てはまる方は多いと思います。
    それではそれぞれ詳しく説明させて頂きます。
    まずは2つの問題からです。

    3世代同居をしている方が建て替えをする際に注意が必要な2つの問題

    1、建築面積が大きくなり建築費が高くなる。

    3世代同居のご家族からお話を頂いた際に頭を悩ませるのは「家族の人数×個室」による面積の増加とそれによる建築費の増加です。

    具体的には、親世代のご夫婦、子世代のご夫婦、プラスお子様といった感じで、栗原市では6人以上のご家族も多いかと思います。

    そういった人数の多いご家族が建て替えを検討する際にそれぞれの個室を大きくしてしまうと、すぐに建築面積が大きくなってしまいます。

    例えば、
    ご夫婦の部屋(親世代、子世代)は、8帖+収納2帖が2部屋で20帖。
    子供部屋(仮に子供が3人とする。)は、6帖+収納1帖が3部屋で21帖。

    それに他の部屋も仮の面積を加えてみると、
    キッチン(4.75帖~6帖くらいが多い。)が、6帖。
    リビングダイニング(人数が多いし、ソファも置きたい。)が、20帖。
    和室(仏壇や神棚も置きたい。)は、8帖+収納2帖。

    玄関3帖、洗面所2帖、浴室2帖、トイレ1帖に階段や廊下、収納などと考えていくと、50坪を超えることもあります。

    4人家族のお家で30坪をきる住宅も珍しくないので、単純に2倍近くの大きさになります。

    近年、資材の高騰と住宅の高性能化により、住宅自体の価格も上がっています。
    建築面積を小さくするように考えていかないと、建築費が高くて建てられないといったこと。建設費を下げるために品質や性能を下げて広い家にしたけど、建ててからの光熱費や維持費が高くなることも考えられます。

    2、住む人が減った時に部屋が余る。

    タイトルの通りで、住む人が減って部屋が余っていくというのは、地方だとより実感しやすいのではないでしょうか?

    昔ながらの大きな家に親世代のご夫婦、子世代のご夫婦、子供達という構成のご家族がいたとします。
    長い年月が過ぎると、子供は進学や就職で都市部に引越し、親世代のご夫婦も亡くなり、大きな家に子世代のご夫婦2人で暮らしているというのが増えてきているように感じます。

    もともと大きな家なので、空いた個室が増え、掃除や維持費などで負担になることもあります。

    将来、住む人が減って部屋が余る可能性を家づくりの前段階から認識しておけば、対策を取ることも可能です。

    2つの問題を解決する4つの方法

    上記であげた2つの問題、「建築面積が大きくなり建築費が高くなる。」「住む人が減った時に部屋が余る。」を解決する方法を4つ説明させて頂きます。

    1、世帯年収で資金計画をする。

    解決方法の1つめは、「世帯年収で資金計画する」です。

    大きめの家が必要な3世代同居のご家族は、これから建てる家の住宅ローンも含め、核家族より家計に掛かるお金が大きい場合が多いと思います。
    その大きい家計に住宅ローンが加わった状態を少ない人数で支えるのは難しいので、親世代のご夫婦と子世代のご夫婦でお話をして頂いた方が良いと考えています。
    さらに栗原市は宮城県の市のなかで平均年収が少ない市でもあるので、家づくりを考えるうえで資金的に難しい地域でもあります。

    そんななかで家づくりをしようとしたら、具体的には長く多く借りられる子世代のご夫婦が住宅ローンを借りて、他の家計を親世代・子世代のご夫婦全員でやりくりしていけたら、家づくりをすることも可能になるケースが増えると思います。

    世帯年収で資金計画をするためには、親世代・子世代のご夫婦で話し合うこと、プロのFP(ファイナンシャルプランナー)の方に資金計画して頂き、その際は全員で参加して頂くことが必要だと感じています。
    プロのFPであれば、出来る方法を考えてくれて、難しいなら難しいと言って頂けるので、3世代同居のご家族であれば、親世代・子世代での資金計画はやって損はないと思います。

    2、多世代同居型の補助金を利用し、建築費の負担を減らす。

    解決方法の2つめは、「多世代同居型の補助金を利用し、建築費の負担を減らす。」です。

    国や栗原市の助成事業の中には、多世代同居型や多子世帯の助成があり、上手く使えれば、概算で250万円を超える可能性もあります。
    2021年度に施行される他の助成事業を活用できれば、700万円を超える助成もありえます。

    活用できそうなものを下記にまとめます。

    住宅ローン減税
    2021年度は控除期間13年。認定住宅は最大500万円の控除になるが、多くのご家庭は200~300万円くらいに落ち着くそうです。

    すまい給付金(最大50万円、入居の期限は2021年12月31日まで。)

    ・贈与税非課税枠(最大1500万円、2022年3月15日までに引渡しを受け居住。)

    グリーン住宅ポイント制度
    新築最大40万ポイント、リフォーム最大30万ポイント。
    条件に該当すると、100万ポイント。今回、該当しそうな条件は、「多子世帯:18歳未満の子3人以上を有する世帯。」

    地域型住宅グリーン化事業(70~140万円)

    栗原市若者定住促進助成事業(多世代同居型、上限20万円×最長5年間。)

    フラット35 地域連携型(当初5年間、金利-0.25%)

    フラット35S 金利Aプラン(当初10年間、金利-0.25%)

    木造住宅耐震改修工事促進助成事業(最大100万円、栗原市は建て替えもOK。)

    上記の補助金を利用すると、概算で700万円を超えるお金が戻ってきます。
    もちろん条件や時期により、該当しないものや補助額が少なくなるものもあると思いますが、活用できる補助金を活用し、建設費の負担を減らすことで3世代同居のご家族もお家を建てやすくなると考えています。

    3、個室を小さくし、子供が巣立ったら、部屋を繋げる。

    解決方法の3つめは、「個室を小さくし、子供が巣立ったら、部屋を繋げる。」です。

    問題点としてあげた「住宅が大きくなり過ぎる。」、「住む人が減った時に部屋が余る。」を解決するためには、住宅を小さめに作ること空き部屋になった時の活用用途を考えておくことが必要です。

    具体的に住宅を小さくするにしても、全ての部屋を小さくしてしまうと暮らしにくくなり、満足度が下がってしまいます。
    普段、ご家族が長い時間を過ごすLDKを広めにとり、個室の面積を小さめにすること。
    特に子供部屋は、数年から10年ちょっとしか過ごさないことも多いので、小さめに作り、子供が就職などで家を離れた時に子供部屋同士の仕切り壁を壊し、繋げて、広くすると新たな使い方も可能になります。

    参考までに、下記の写真右側に張っているベニヤ部分は、お子様が進学し、家を出た際に部屋同士を繋げ、大きく使えるようにベニヤを剥がしやすく張っています。

    2階洋室

    部屋同士を繋げ、フレキシブルな使い方が出来るようにすることが、将来、部屋が余るということの解決方法の1つになると考えています。

    4、高性能住宅にして光熱費や維持費を抑える。

    解決方法の4つめは、「高性能住宅にして光熱費や維持費を抑える。」です。

    問題の1つが、「建築面積が大きくなり建築費が高くなる。」だったので、建築費が高くなる高性能住宅に矛盾を感じる方もいるかと思いますが、これは大切な考え方の一つです。

    古いお家に住む人数が多いご家庭は光熱費が高い傾向にあります。
    冬の寒い日、各部屋でファンヒーターを使い、人数が多いので何度もお風呂の追い焚きを行ないます。
    佐藤工務店のお客様で、こういった古いお家から高性能住宅に住み替えたお客様のなかには、光熱費が2万~3万円くらい安くなったご家庭もあり、月々2万~3万円を住宅ローンに換算すると数百万円分になるので、高性能住宅に建て替えることは十分に費用対効果があると考えています。

    また、維持費を抑えるために長持ちする材料を使うことも重要です。

    例えば、建築面積の大きいお家の外壁に足場を掛けて、何度もメンテナンスをしていては、住んでからのお金のやりくりが大変です。
    新しく建て替える際には、初期費用とメンテナンス費のバランスがいい材料選択が大切になります。

    このように建築費と住んでから発生する住宅ローンの支払いや光熱費、維持費など、トータルでのコストが最適化されるように考えていくと、住んでからの月々の支払いに余裕がでてきます。

    どういった家にすればいいか詳しく知りたい方は、佐藤工務店の家づくりお金にゆとりをもって暮らせる家づくりの考え方を合わせてお読みください。

    まとめ

    3世代同居のご家族がお家を建て替える際に、建築面積が大きくなり建築費が高くなること。将来、住む人が減った時に部屋が余ることが問題になりえます。

    その問題を解決する方法は、世帯年収で資金計画をする。多世代同居型の補助金を利用し、建築費の負担を減らす。個室を小さくし、子供が巣立ったら、部屋を繋げる。高性能住宅にして光熱費や維持費を抑えることが考えられます。

    実際に家づくりが具体化し、詳しく知りたい場合は佐藤工務店にて、資金計画セミナー家づくり相談会を開催しているので、お越し頂けたら詳しくお話させて頂きます。