空き家を手にしたら、早めに行動。難しいなら、傷むのを遅らせる。

- コラム

先日、アップした「栗原市の人口減から起こる空き家問題とその改善について」という記事で、空き家の状態が悪い理由は2つあるというお話をしました。

1つめは建てた時点の住宅の質が良くなかったこと。2つめはメンテナンスが行き届いていないこと。

1つめの理由については解説しましたが、2つめのメンテナンスが行き届いていないことについては文章が長くなってしまって解説していなかったので、当記事で解説させて頂きます。

当記事からご覧になっても分かるように書くつもりですが、理解を深めたい方は、ぜひ「栗原市の人口減から起こる空き家問題とその改善について」もご覧になって頂けると嬉しいです。

関連記事の振り返り

栗原市の2022年4月末の人口は63,962人。
2060年の将来人口の推計はパターン4まであり、24,960人~33,425人とされております。

大雑把な計算をすれば、人口が半分になれば、人が住むのに必要な住宅も半分になるので、今ある住宅も2戸に1戸は空き家になる可能性があります。

空き家が増えると様々な問題が起こります。

  • 人が住まなくなると、建物の傷むスピードが速くなる。
  • 雑草や植木の管理が行き届かず、うっそうとなる。
  • 野生の動物が住み、近隣に獣害が増加する。
  • 不審者が出入りする可能性が出てくる。

そういった問題が起こらないよう、空き家を空き家のままにしないために、住んでもいいと思える「状態の良い空き家」の比率を増やしていくのが、1つの手段なのではないかと考えています。

それについては、2つの方法があると考えていて、

方法①→新築時の住宅の質を上げ、質の悪い住宅を質の良い住宅に置き換えていく。

方法②→空き家のメンテナンスをしっかりやっていく。

方法①については前のブログで触れたので、当記事では方法②について書いていきます。

決断を先送りするための維持管理

空き家プロジェクトという活動を通じて、空き家がどうにもならなくなってからの相談が多いという印象を受けました。

空き家が傷み始めると、売るや貸すなどの選択肢が取りにくくなり、相続時に話し合いをせずにいることで空き家の相続人が何人もいる状況になって話し合いができなくなるということが起きています。

そういったこともあり、空き家になったら、空き家が傷む前に決断し、「売る、貸す、壊す、使用する、改修する。」などの行動を起こした方がベストだと感じています。
できるなら、空き家になる前に相続や空き家になった時にどうするかを、ご家族で相談しておくことが、相続人の負担を減らしてくれると思います。

そうはいっても空き家になってすぐというのは心の整理が付きにくい状況だったり、バタバタしている状況が多いと思われます。
そういう時は落ち着いて、空き家をどうしていくかを決断や行動できるまで、維持管理をして、空き家が傷むのを遅らせる方法をとるのが良いと感じております。

空き家の維持管理はご自分たちで行なうことも多いのですが、最近だと相続した方が遠方の場合は業者に委託する方法をとることも増えてきているようです。
交通費を掛けて、わざわざ来るよりはお金も時間も節約できるというのが、理由のひとつのようです。

業者に委託する場合は、空き家の確認・通風・通水・郵便物の整理・簡単な掃き掃除で月々数千円からという価格帯が多く、金額を追加すると草刈りなどの作業も請け負っているところが多いようです。

栗原市では空き家の維持管理を請け負っている会社が見当たらないので、ご興味のある方はNPO栗原市空き家プロジェクトに相談してみてはいかがでしょうか?

ただ、月々数千円の維持管理では建物が傷むのを遅らせることはできても、どこかで屋根や外壁の塗装などのメンテナンスや改修工事が別途必要になる可能性が高いので注意が必要です。

例えば、屋根の板金塗装をせずにいると、いつかは錆びて穴が開き、雨漏りをしてしまう可能性があります。
それは月々数千円の維持管理ではどうすることもできないので、どこかで空き家を「売る、貸す、壊す、使用する、改修する。」などの決断をしないと、状況が悪くなります。

相続などで空き家を手にした場合は、できれば早めに行動を起こす。行動するために時間が欲しい場合は空き家の維持管理やメンテナンスをして、空き家を良い状態に保ち、「売る、貸す、使用する。」の選択肢を取りやすくするのが、個人が取れる一つの解決策だと考えています。

もし、そういった際にご相談をしたい場合は、佐藤工務店やNPO栗原市空き家プロジェクトにご相談ください。

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