躯体工事(栗原市築館 IY様邸)

- 現場ブログ

こんにちは。佐藤工務店の佐藤博昭です。

今回の記事は、栗原市築館で工事をさせて頂いているIY様邸の着工から躯体工事中の写真を用いながら、工事のポイントを書かせて頂きます。

細かな部分やこの工事から取り入れていることなども書いているので、過去の現場ブログも含めて、ご覧になって頂けると嬉しいです。

解体工事~準備工事

道路際での工事になるため、写真のような囲いを行ない、飛散防止をした後に解体工事を開始しました。

解体工事後に建物の位置出しをしました。

地盤調査を行ないました。
工事場所は山と川の間に位置していて、数値的には地盤補強が必要な値でした。

地盤補強工事

既製コンクリート柱状材を圧入して用いる杭状地盤補強を行ないます。
ざっくりした説明になりますが、オーガというドリルのようなもので穴を開け、その穴にコンクリートの柱状材を入れ、押し込むという作業を繰り返していきます。
約30本の柱状材を圧入して、その上に建物を載せるイメージになります。

事前の調査結果に基づいて、柱状材の長さを決定していますが、重機内のモニターにより、規定の力が支持地盤に掛かるまで柱状材を圧入します。
力が掛かっているかをモニターで判断するので、隣同士の柱状材でも微妙に地面から出ている長さが違います。

基礎工事

柱状材を圧入し、地盤から出ている長さを切り揃えた後の写真になります。
地面にオーガで穴を開ける際に土が出てくるので、地盤補強工事が終わった後はあちこちに小さな山ができます。

余分な土と水分を含んで泥のようになった状態の良くない土を取り除いていきます。

砂利を敷いて、形を作っていきます。細かいところは人が行ない、最後にプレートという機械で平にし、固めていきます。

形が出来たら、防湿シートという湿気が地面から上がってくるのを防ぐシートを敷いていきます。
防湿シートを敷いたら、捨てコンと呼ばれる建物の位置を出したり、型枠を固定するためのコンクリートを打設します。

今回の基礎は許容応力度計算という構造計算を行なった基礎です。
よく見かけるベタ基礎は真ん中が平らなのですが、構造計算の結果、写真のように溝が掘られたようになりました。
その溝の部分に基礎梁や補強筋が組まれます。

鉄筋が組まれると写真のようになります。
この後、コンクリートを打設し、固まると基礎になります。

木工事

建て方

建て方の写真になります。
クレーンを使って、柱や梁と呼ばれる材料を組んでいきます。
この時も後から隙間になる部分に防水テープを貼り、気密処理をしています。

防蟻処理

建て方が終わって、断熱材を入れ終わった後、白蟻対策となる防蟻処理をしている写真です。
防蟻処理をする範囲は土台から1m、ユニットバスが設置される場所と玄関は全ての木材を処理しています。

最近、佐藤工務店ではホウ酸と呼ばれるもので防蟻処理しています。
ホウ酸は天然の鉱物で、水に濡れなければ半永久的に効果が持続し、人間には害がありません。
よく行なわれている薬剤での防蟻処理は、揮発性の高い薬剤が多く、本来なら5年後くらいに塗り直しが必要なのですが、隠れてしまい塗れない箇所が多いのが実情です。そういったこともあり、効果が持続するホウ酸での防蟻処理を行なうようになりました。

ホウ酸で防蟻処理したとはいえ、白蟻が木材を喰っていないか点検することも大切なことです。

ホウ酸は無色透明で、見た目は少しだけ白く粉がふく程度です。
特殊な薬剤を吹きかけると赤色に反応します。

気密測定

気密測定の様子と気密測定の結果の写真です。
気密とはC値という数値で表すことができ、数値が小さいほど隙間が少なく、良いとされています。

気密が良いと、冷暖房の効きが良くなったり、壁内結露のリスクが減ったり、計画換気が計画通りに換気できるようになります。

C値の目安としては、旧基準では寒冷地でC値2.0以下、スーパーウォール工法ではC値1.0以下、世界トップクラスのエコハウス パッシブハウスではC値0.2以下とされています。

今回の物件ではC値0.1でした。

気密測定は建物を建てていく過程で測定できる、数少ない実測値なので、佐藤工務店では大切にしており、物件ごとにフィードバックをし続けて、ここまでの気密処理ができるようになりました。

外壁下地

外部の下地工事中の写真です。
この写真には、今回からやり方を変えた箇所が2つ写っています。

外部胴縁をクロスさせた

1つ目は外壁裏の通気量を増やすために胴縁(木下地)をクロスさせたことです。
通常、縦張りの外壁を張る場合は横胴縁を欠いたものを使ったり、胴縁の端部と胴縁の端部を離して、通気を確保します。
ただ、2020年7月号の日経ホームビルダーの記事を通して、従来のやり方では通気量が不足する恐れを感じたので、写真のような縦胴縁を先に取り付けて、横胴縁を壁から浮かせて取り付けることで通気量を確保する方法に変えました。

透湿防水シートを別商品へ

2つ目は透湿防水シートを別な商品に変えました。
前の物件まで使っていたデュポンのタイベックハウスラップという品質が良いとされていた透湿防水シートが廃盤になり、同社ではタイベックハウスラップに遮熱効果を持たせたタイベックシルバーのみとなりました。

タイベックシルバーには疑問な点があったため、以前から興味を持っていた別会社のウェザーメイトプラスという商品に変えました。

このウェザーメイトプラスはアメリカの透湿防水シートなのですが、アメリカは国土が広いことで、寒い地域から暑く湿度の高い地域など、様々な環境の地域があるうえ、訴訟大国ということで、透湿防水シートの性能も高いようです。
いろいろ調べたうえで、今回の物件はこのウェザーメイトプラスにしました。

施工した感じとしては丈夫なように感じますが、引き続き他の部材も含めて、最適なものを探していきたいと考えております。

まとめ

今回の記事では、目に見えない部分になりますが、いろいろと改善を繰り返しながら、住宅を作っている様子を中心に書かせて頂きました。

少し難しい内容の箇所もあったかと思うので、お気軽にご質問をして頂けたら、お答えさせて頂きます。

また、実物をご覧になりたい方は、ご連絡を頂けたら、その時に工事している物件や構造見学会、完成見学会にご案内させて頂きますので、ご連絡を頂きますようお願いいたします。

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